猫物語14 逃げて追いかけて一人と一匹

木枯らしが吹いた次の日にトラ丸と別れた子猫は、小さな家の玄関の前にいました。

(鳴こうか?どうしようか?)と子猫はもじもじと考えました。(自分が、がんばらなきゃしあわせになれないってカラスのゴンは、言ってた。ようし!大きな声で鳴こう!)そう思った子猫は、大きく口を開けて「フギャー」と鳴きました。

「あっ!ダミ声!あの子猫だ。」と、家の中の女の人は、急いで玄関の戸をガラリと開けました。

急に戸を開けられて子猫は、びっくりびっくりです。まして、小さな家の女の人は、手を差し伸ばして子猫を抱こうとします。

子猫は、大変驚いて一目散に逃げだしました。後ろからは、小さい家の女の人が、追ってきます。

「待って!子猫ちゃん待って!」小さな家の女の人は、ハアハア言いながら走ります。突然に子猫の姿が、見えなくなりました。

「あれ!」小さな家の女の人は、キョロキョロしました。すると、横の垣根の所に人が、腰を屈めて通れる程の道が、あります。

小さな家の女の人は、そこへ行ってみました。腰を屈めて道の先を見てみると、道の向こうに子猫が、います。

小さな家の女の人は、腰を屈めて道を通りました。顔を上げるとそこは、広い庭になっていました。

小さな家の女の人は、泉の側にいる子猫を見つけました。泉の側には、洒落たログハウスが、ありました。

ログハウスには、大きな看板が、かかっていました。看板には、大きな「モカおばさんの家」と、書かれていました。

子猫は、ログハウスをポカーンと見つめています。(なんだろう?)子猫は、逃げることも忘れてボーッとしていました。

小さな家の女の人は、そーっと近づいて子猫を抱きあげました。そして、しっかり抱きしめました。子猫は、ちょっと戸惑って小さな家の女の人にしがみつきました。

その時、モカおばさんの家の玄関の戸が開きました。「おや!お客さん?」モカおばさんが、にっこり笑って立っていました。

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