猫物語46 ありがとう!私の人生!

雲間に 日は 輝く

女は 2本の腕を 突きだし

歓喜のおたけびを 上げた

竜王は 目を むいた

女は 400通のラブレターと

彼と 彼女の 秘めごとが

大海を 流れていくのを 見た

女の夫が 獄中から

彼女を 口説いたのだ

彼女は おちた

彼女は 永遠の愛を誓い

彼を受け止めた

女は 追いかけてくる 彼女の言葉に

ほほえみ笑いながら

大海原を かけてゆく

女は 大波に 勝ったのだ

女は 宿命に 勝ったのだ

女は 歳を とり

女には 老いしかなかった

女は 100歳を 目指し 立ち上った

そのとき 動かなかった

女の足は 動きだした

竜王は うなった

女は 動かない足を 動かし

地球を つかんだ

女は 絶望しなかった

女は 希望を 創りだした

何の為であれ 人間のすごさを 証明した

どこからか 聞こえる 風のたよりに

夫が 彼女の 被害届で

警察に とらわれたことを 知った

女は 男に 告げていた

『命をだきしめて帰っていらっしゃい!

 いつまでも 待っているから!』

男の声が 聞こえる

『見捨てないで 見捨てないでくれ!』

女は 振り返り

『待っているよ!』と 手を上げた

女は 自分の幸福は

自分で 築くものと 決めていた

その為にも 戦争はいらない!

まして 人殺しなど したくない!

偉大なる 我が師に!

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